
小鼓
通常、打楽器は撥(バチ)や手を上から下に向かって振り下ろしたり、打ち下ろしたりして、重力を利用して演奏します。
しかし、小鼓は左手で鼓を持ち、右肩に担ぎ、右手で下から上に向かって、手を振り上げ、重力に逆らって演奏します。ここに難しさがあります。
さらに言うと、演奏者から打面は見えません。
そして客席からは見えませんが、左手で調(しらべ、麻で編んだ朱色の紐)の張力を調整することによって、音色を変化させています。
大鼓
大鼓(おおつづみ、おおかわ)は、見た目とは異なり、空気を切り裂くような甲高い音がします。
通常、楽器のサイズが大きくなると、低音が出るようになるのですが、大鼓は違います。
演奏する直前に楽器を組み上げるのですが、組み上げを開始するまでに、数時間、大鼓の革を炭火あるいは電熱器(もっぱらこちら)で焙じます。
革から水分をなくし、さらに和紙を何重にも糊で重ねて作った指皮を指にはめて打ちます。
そのようにして高音を出します。
日本は多湿なので、大鼓が高音を出せる状態は長くはもちません。長い演目ですと一番ごと、短い曲が続くようなときでも2時間ほどで楽器を交換します。